房姫様物語③
あまいアンをお腹いっぱい食べたものの、
家に帰った「よね」は
だんだん不安になってきました。
こんなことをして、
ほとけさまのバツが当たったらどうしよう。
「よね」は心配で心配で、
おふとんにもぐりこんでしまいました。
ばんごはんにも「よね」が
起きてこないので、
お母さんは心配になりました。
「よね、どうしたの?」とお母さん。
「お腹がいたい」と「よね」は
ウソをつきました。
本当はお腹がいっぱいで、
ばんごはんが入らないのでした。
お母さんは心配してオカユをつくり、
「よね」のまくらもとに置きました。
ところが「よね」が
それも食べないので、
今度は煮つめたセンブリを
持ってきました。
「これを飲みなさい」
センブリとは漢方薬なんですが、
それはもう苦くて苦くて、
「よね」は顔をしかめて飲みました。
引用:福地いろどりむら通信 17号掲載
構成・挿絵:北野玲/参考文献「宝蔵寺の昔話・房姫様物語」(山田貞一)
宝蔵寺は臨済宗・妙心寺派の寺です。
寺の前進である宝蔵寺が、この地に永くありました。 その昔、この地に来た巡礼の女人「よね」が、宝蔵庵で出家して尼僧となり、房姫様と呼ばれて親しまれました。
四十年ほど仏道に勤め、享和二年(一八〇二)に六二歳で浄土に旅立ったのです。
房姫桜はその尼僧を偲んで名付けられたヤマザクラで、樹齢二百数年です。八百津の天然記念物として文化財に指定されています。 周辺の樹木や進入林道の整備など、「房姫桜保存会」(金井正尋代表)では環境保全活動をおこなっています。
4月中旬が見頃で、ライトアップもします。 山里ならではの幻想的な夜桜を是非一度ご覧ください。
—–
(宝蔵寺住職・小笠原正)
光明山 宝蔵寺 〒505-0422 岐阜県加茂郡八百津町久田見4297
[2019/08/19 投稿]
category: 八百津の歴史, 昔話/伝説
構成・挿絵:北野玲/参考文献「宝蔵寺の昔話・房姫様物語」(山田貞一)
宝蔵寺は臨済宗・妙心寺派の寺です。
寺の前進である宝蔵寺が、この地に永くありました。 その昔、この地に来た巡礼の女人「よね」が、宝蔵庵で出家して尼僧となり、房姫様と呼ばれて親しまれました。
四十年ほど仏道に勤め、享和二年(一八〇二)に六二歳で浄土に旅立ったのです。
房姫桜はその尼僧を偲んで名付けられたヤマザクラで、樹齢二百数年です。八百津の天然記念物として文化財に指定されています。 周辺の樹木や進入林道の整備など、「房姫桜保存会」(金井正尋代表)では環境保全活動をおこなっています。
4月中旬が見頃で、ライトアップもします。 山里ならではの幻想的な夜桜を是非一度ご覧ください。
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(宝蔵寺住職・小笠原正)
光明山 宝蔵寺 〒505-0422 岐阜県加茂郡八百津町久田見4297