今回は日本の棚田100選にも選ばれた「上代田棚田(かみだいだたなだ)」についてご紹介したいと思います。
棚田といわれてピンとくる方もいると思いますが、地域によっては「千枚田(せんまいだ)」「谷津田(やつだ)」とも呼ばれています。山の斜面や谷間の傾斜地に階段状に作られた田んぼで、傾斜度が20分の1(20メートル進むと1メートル高くなる傾斜)以上の田んぼです。山間の土地で何とかお米つくりを、という先人の熱意と知恵と努力の結晶というべき遺産なのです。このような山間地域では平坦地に比べ昼夜の温度差が大きいため味の良いお米が収穫できるといわれています。
棚田には防災としての側面もあります。棚田は山に降った雨の一部を止め、河川へ流さないちょっとしたダムの役割を果たします。大雨による洪水や土砂崩れを防ぐ一役を担うとともに、生きものの命を育んでいます。
八百津町にある「上代田棚田」は北山地区にあり、岩石を丹念に積み上げて段状に作ったもので、面積約5ヘクタールの中に123枚の棚田があります。その棚田を取り囲むように形成された集落の景観は、閑かな山里を演出しています。この「上代田棚田」は現在でも耕作され、丁寧に管理保全が行われています。先祖が残した重要な財産を守り続けており、平成11年には「日本の棚田100選」、平成20年には後世へ伝えたい岐阜の素晴らしい棚田「ぎふ棚田21選」に認定されました。春には芝桜、秋には彼岸花が見事な花を咲かせ、まるで風景画を眺めているような景色を楽しむ事ができます。
八百津の街から「上代田棚田」へ向かう途中には、「赤薙棚田(あかなぎたなだ)」があります。「赤薙棚田」も「ぎふの棚田21選」に認定されております。近年、この風景を眺めながらサイクリングする人が増えています。
「上代田棚田」、「赤薙棚田」は田植えも終わり、これからが見ごろの時期を迎え、四季折々、そして朝、昼、夜と時間帯によって異なる景色が見られます。現在新型コロナウイルス感染症対策により外出は自粛となっておりまが、新型コロナウイルスが終息した際にはぜひ八百津町の「上代田棚田」、「赤薙棚田」にお越しください。